TED の翻訳を iPad でやってみる

2011 年 1 月 1 日 | カテゴリー: TED

早いもので、私が TED の翻訳プロジェクトに関わり始めてからもう1年以上になる。振り返ってみると、翻訳そのものよりも srt2CSV や CSV2srt というスクリプトやサービスの作成といった、「翻訳やレビュー支援」を行う場面でよりプロジェクトに貢献しているような気がする (そしてそれはそれで良いことだと考えている)。

私の翻訳スタイルだが、dotSUB から動画データと英語の字幕ファイルを直接ダウンロードして、ローカルマシン (MacBook Pro) にて字幕ファイルのテキストを編集。必要に応じてテキストを保存し、動画ファイルを開いて字幕がどのように表示されるかの確認を行う、という方法を取っている。その方法だが、VLC というソフトウェアを使用すれば特に難しい設定など行うことなく字幕付きで動画を視る事ができる (デフォルトでは動画ファイルである flv ファイルと、字幕ファイルの srt ファイルの名前を同じものにしなければならない。例えば TED.flv と TED.srt という具合である)。

私は毎日地下鉄に乗って出勤しているのだが、「iPad を使ってこの時間を翻訳作業に充てられないだろうか」とたまに考えていた。実際やってみると思った以上に簡単にできてしまったので、ここにその内容を残しておく。

必要なものは、

 - iPad (iPhone でも一応できる – 実際快適に作業できるかは分からないけれど)
 - DropBox のアカウント
 - VLC がインストールされた Mac OS X 環境
 - インターネット接続環境

以下の手順に従う (便宜上ダウンロードしたファイルの名前は TED.flv と TED.srt ということにしておく) :

 (1) まずは iTunes Store にて PlainText – DropBox というアプリ (無料) をダウンロード。
 (2) iPad (または iPhone) にインストールされた PlainText – DropBox アプリから DropBox のアカウントへ接続
 (3) DropBox の共有フォルダーにて PlainText アプリが参照する場所を指定する (デフォルトでは PlainText という名前のフォルダー)
 (4) そのフォルダーに対して、MacBook Pro (というか、Mac OS X) にて
  (4-1) TED.flv ファイルならびに TED.srt ファイルをフォルダー内にコピー
  (4-2) ターミナルを立ち上げて、上のフォルダー (ディレクトリ) へ移動後、以下のコマンドを入力 :

mv TED.srt TED.txt
ln -s TED.txt TED.srt

  上のコマンドの意味は、「TED.srt というファイルを TED.txt に名前変更して、そのファイルに TED.srt という名前でもアクセスできる様にする」というもの1

これで TED.txt というテキストファイルを PlainText アプリから編集し、編集されるたびにその情報が DropBox 上で同期され、Mac OS X からも新しい字幕を参照する事ができる様になる。勿論同期を行う為には iPad と Mac OS X の両方がインターネットに接続している必要がある (一応書いておくと同時に接続する必要は無い)。

この操作をしておくことで、例えば

 (1) 朝出かける前に、最新の字幕ファイルを iPad 側に転送
 (2) 通勤中 (オフラインになっている状態で) 字幕の翻訳作業を iPad (または iPhone) で行う
 (3) (インターネット接続環境のある) 自宅に帰ってくると、iPad にある新しい字幕ファイルを DropBox 側に同期し、その情報がそのまま Mac OS X 側でも更新される
 (4) 自宅では Mac OS X にあるテキストエディター (例えば Emacs) で翻訳作業を続行。必要に応じて字幕が入った動画で翻訳を確認

ことをシームレスに行う事ができる。

  1. Mac OS X とくどい程書いてある通り、このような操作は Windows で行う事ができない (そもそも Windows のファイルシステムにそのような概念が存在しないから)。(4) の操作は、PlainText アプリが .txt という拡張子を持ったファイルしか編集できないという仕様に対応するためで、例えば Textforce (有償) というアプリでは編集対象のファイル拡張子を設定する事ができるらしい (私は未確認。情報があれば教えて下さい)。Windows ユーザーでも PlainText の代わりに TextForce を使えば問題ないのかも知れない []
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