ブラジルで思ったこと
ブラジルで起こったことを単に書き綴っていったのだが、そこで私が考えたことなどを書いていこうと思う。
- 可能性に満ちた国 : 一度ブラジルに行ったことがある日本人なら、こういうことを思う人は多いのではないかと思う。社会の中のインフラなど、まだまだ整備が行き届いていないところは多いのだが、逆の見方をすればそれはこれからまだまだ伸びる可能性があるということ。気がついたら「私がここで事業起こすんだったらどういうことができるかなぁ」とか考えていたりした。
- 知識よりもモノを中心に動いている社会 : 例えばモノに溢れているところ (つまり俗にいう先進国) であれば、以前よりも社会全体の価値がモノよりも (例えばインターネット上でのサービスなど) 知的なところに消費者の重点が置かれると思うのだが、ブラジルでは (日本やヨーロッパと比較して) (まだ?) モノに価値が置かれている様に感じた。
- まだまだ若い国 : 以前日本にいて感じることが多いことに、国全体が年老いているなぁ、というものがあった。これは古くさいという意味ではなく、単純に全人口中に占める高齢者の「割合」が高くなってきているということ。個人的にはこの流れが全世界的なものになると考えているのだが、ブラジルはまだまだ若いなぁ、と思うことが多かった。以前起業がしやすい環境は、ブラジルが最も整っており、社会的な評価も高いというグラフを見た記憶があるのだが、国全体の若さもその一因になっているのではないかと個人的には考える。
- 治安に関してはまだ安心できない : 以下にも書いている通り、格差があるとはいえ、国全体の経済はそこまで酷くはないという印象を受けた。しかしそれでも「気をつけろ」とは何度も言われたし、その言葉に従った方が良いだろうと感じることもできた。治安の面から私が今までで一番緊張したのは NYC だったのだが、サンパウロ市内やリオのスラムなど、場所によって危険な場所はいくらでもあるだろう (さすがに今回そう言う場所には案内されなかったが)。今回の旅では常に誰かと一緒に行動していたのだが、一人で出歩くとなると、色々とナーバスになりながら歩くことになっていたと思う (パリやウィーンの街中を歩くのとは少し違う)。何となくだが、住む場所によって、治安も相当違うのだなぁ、と感じた (つまり安全をお金で買っているということ)。ちなみに一軒家であれば、ドアに3つ鍵をかけ、それとは別にガレージや窓にも鍵をかけるのがデフォルトという感じでした。
- それだけで閉じている世界 : サンパウロの空港に行くと、スクリーンに CM などが映される。当然ポルトガル語なのだが、どうも吹き替えなどは行われておらず、全て1から作ったようなものだった。言語的にも文化的にも、ブラジルが大きいために、それだけで閉じてしまっているような印象を受けた。ブラジルではポルトガル語が話されているが、ブラジル国内の市場が一定以上あるのでポルトガル語だけで事足りてしまい、私は閉じた世界であるという印象を受けたのだと思う。
- 教育 : 大多数のブラジル人は英語で会話することができない (もしできたら、その人は平均以上の環境で育ったと考えて良い)、というのが私があちらで感じたこと。観光客が多く来る様な店でも英語を話せない店員が多くいたりする。色々聞いていくと、公立の学校は1日に4時間だけ授業を行い、さらにそのレベルもそこまで高くないらしい。それではどうするかというと、お金のある家は子どもを私立の学校に通わせたり、学校とは別に英語などの学習を目的にした学校 (日本で言えば塾といったところだろうが、受験の合格を目標にしている訳では無いので少し違うと思う) に入れるらしい。当然その結果は、大学に行けるかどうかなど、将来に多くの影響を与える。
- 格差が凄い : 日本やドイツ、オーストリアにいると、大学に行ったかどうかがそこまでクリティカルに生活に影響する場面というのはそんなに無いと思う (例: 大学に行っていなくても、会社員や公務員 (ドイツであればマイスター) になれたり、場合によってはアルバイトで生活することも不可能ではない)。しかしブラジルでは教育を受けたかどうかで、その人の収入が段違いに変わってくる。生活コストがそこまで高くないため、一定以上の収入があれば、あとは楽に暮らせてしまうという印象を受けたが、それができない (= 収入が殆どまたは全くない) 人は、ブラジルの外に「出稼ぎ」に出て行かなければならない。日本語の「出稼ぎ」という言葉そのものが日本では半分死語になっている感があるが、ブラジルの日系人の間では今でも普通に使われている。そのことについて驚いたということを現地の親戚に話したら、「(所謂) 発展途上国はどこでも同じ様なものだよ」と言われて、更に驚く。確かにそうかも知れない。ちなみに「あなたのスキルで都市部で仕事を探せば、良い仕事がすぐに見つかるよ」と親戚には言われた。
- 日系人のアイデンティティー : サンパウロは南米で最大の日系人がいる場所らしい。当然そこには日系人のコミュニティーがある。私は一応まだ日本人で、その中でも色々話をする機会があったのだが、中には実際に日本に行って生活していた人もいた。そこで彼らに言われたことは「日本に行っても、日本人にはなれないし、日本人も我々のことを外人として見る」というもの。日本のパスポートを持っている私でも日本国内では外国人に間違われるので、これは同意せざる得ない。ブラジルの彼らは日系人としての誇りを持っている様に私には見えたのだが (ちなみに日系に対するブラジル国内の評価はかなり高いらしい。社会的にも成功している人が多いのではないかと想像する)、自分たちの遠い祖国 (という表現が適当かは分からないが) に「外 (の) 人」と言われるのはどうなのだろうかと考えてしまった。どこかで「日本(人)は外から来たものを自分たちの中に取り込んで完全に同化するか、それとも拒否するかどちらかしかない」という趣旨のことを以前演出家の平田オリザさんのインタビューか i-morley で聞いた記憶があるのだが、その通りだと思う。
まだ比較的若い段階で、今回の様に違う世界を見ることができたのは非常に幸運だと思う。今回は結果として観光のようなことを多くしたのだが、一番興味をひいたのは、そこで話した内容のほうだった。

凄い時間経ってるけどフルでブラジル話見せてもらいました。
ブラジルは私にとってみたら未知の世界。以前ブラジルに行こうと思ってチケットとったのに一日前にブラジル入国にはビザがいると知りサンパウロ空港には降り立った物の、そこからチリに変更した旅があったけど同じ南米でもチリとブラジルは大違いだろう。と想像する。
でも私が思うにブラジルは南イタリアに近いものがあるんじゃないだろうかと思う。イタリアって北は発展してるけど南は酷い物で失業率が高く、犯罪率が高いのは教育にも関係していると思うし、たしかにブラジルほどの危険は無いと思うけど(銃は持てないから)だけどスラムみたいな街はあるし。
すいません。私はイタリアにいるからどうしてもイタリアと比べがちですが。。
でも結局その国の格差、治安の悪さはすべて教育に繋がっていますよね。日本はそういう所は本当に幸せなんだと思う訳です。みんながみんな言葉も話せれば字もかけるんです。でもなぜそういう国の人間が英語がしゃべれるようにならないかは不思議ですけど。
私は旅行でいろいろな発展上の国をみましたがやはりいろんな衝撃はうけるわけです。現に発展途上国でないイタリアを見ても衝撃をうけるわけですので。
日本人はあまりに幸せすぎて身近に感じる事ができないと思います。
しかしカッキーの親戚は素晴らしいですね。
こんなに遠く離れた土地で日系人がこうやって根付いて暮らしているって本当に誇りに思える事です。
人類って繋がってるな、と思えるなww
> izumicia さん
コメントありがとうございます。
そうなのです、ブラジルには入国のために事前にビザの取得が必要なのです。これは日本国政府がブラジルからの入国に対してビザの取得を義務付けているからとかなんとか。
日本が恵まれているというのは私も思います。識字率も高いですし。英語がうまくならないというのは、逆にそのような恵まれた環境があるせいなのかなぁ、と思うときがあります。
今回色々見たのですが、やはり親戚に出会えたのが良かったというのが私の思いです。日本から見たら地球の裏側に相当するわけですが、そこでもたくましく成功している彼らを見てみるとこちらも良い刺激を受けます。